前回はWebAssemblyでの高速化について紹介しました。

今回はPWAについて紹介していきます。
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JavaScriptでPWAを作ろう!オフライン対応Webアプリ開発の基礎と実践
PWA(Progressive Web Apps)は、ネイティブアプリのような機能を持ちながら、Web技術を活用して構築されるアプリケーションです。本記事では、JavaScriptを使ったPWAの開発方法を基礎から実践まで詳しく解説します。
1. PWAとは?
PWAは、次の特徴を持つWebアプリケーションのことを指します。
- オフライン対応:ネットワークが切断されても利用可能
- 高速な読み込み:キャッシュを活用してパフォーマンスを向上
- プッシュ通知:ネイティブアプリのようにユーザーへ通知を送信
- インストール可能:アプリストアを介さずにホーム画面に追加できる
これらの機能は、Service Worker、Web App Manifest、HTTPS の3つの技術を組み合わせることで実現できます。
2. PWAの構成要素
1. HTTPSの導入
PWAはセキュリティを確保するためにHTTPS経由で提供する必要があります。Let’s Encrypt などの無料SSL証明書を利用すれば簡単にHTTPS化が可能です。
2. Web App Manifestの作成
Web App Manifestは、アプリのアイコンやテーマカラー、起動時の設定などを定義するJSONファイルです。
{
"name": "My PWA",
"short_name": "PWA",
"start_url": "/index.html",
"display": "standalone",
"background_color": "#ffffff",
"theme_color": "#000000",
"icons": [
{
"src": "/images/icon-192x192.png",
"sizes": "192x192",
"type": "image/png"
}
]
}
このファイルを manifest.json
として保存し、index.html
に以下を追加します。
<link rel="manifest" href="/manifest.json">
3. Service Workerの実装
Service Workerは、ブラウザのバックグラウンドで動作し、キャッシュ管理やプッシュ通知を実現するスクリプトです。
基本的なService Workerの実装例
self.addEventListener('install', (event) => {
event.waitUntil(
caches.open('v1').then((cache) => {
return cache.addAll([
'/',
'/index.html',
'/styles.css',
'/script.js'
]);
})
);
});
このコードでは、ページのリソースをキャッシュし、オフライン時でもアクセス可能にします。
3. PWAの開発手順
1. Web App Manifestを追加
manifest.json
を作成し、index.html
にリンクを追加します。
2. Service Workerの登録
script.js
に以下のコードを追加します。
if ('serviceWorker' in navigator) {
navigator.serviceWorker.register('/service-worker.js')
.then(() => console.log('Service Worker registered'))
.catch((error) => console.log('Service Worker registration failed:', error));
}
3. HTTPSの設定
ローカル環境でHTTPSを有効にするには、lite-server
や ngrok
を利用すると便利です。
4. PWAの動作確認
1. Chromeの開発者ツールで確認
F12
キーを押してDevToolsを開くApplication
タブを選択Manifest
セクションで設定を確認Service Workers
セクションでインストール状況を確認
2. オフラインモードのテスト
Network
タブを開くOffline
モードを有効化- ページをリロードして動作をチェック
5. PWAをさらに強化するポイント
1. プッシュ通知を追加する
Web Push APIを活用すれば、PWAでもネイティブアプリのようにプッシュ通知を送信できます。
2. キャッシュの管理を最適化
キャッシュの有効期限を設定し、不要なリソースを削除することで、ストレージ使用量を削減できます。
3. インストール可能なプロンプトを表示する
PWAのインストールを促すために、beforeinstallprompt
イベントを活用しましょう。
window.addEventListener('beforeinstallprompt', (event) => {
event.preventDefault();
let installPrompt = event;
document.getElementById('install-button').addEventListener('click', () => {
installPrompt.prompt();
});
});
6. まとめ
PWAを導入することで、Webアプリのパフォーマンスを向上させ、ユーザー体験を大幅に改善できます。特に、オフライン対応やプッシュ通知 を活用すれば、ネイティブアプリに匹敵する機能を実現できます。
本記事で学んだこと
- PWAの基本概念とメリット
- Web App Manifest、Service Workerの実装方法
- Chrome DevToolsを活用した動作確認方法
- PWAを強化する追加機能
これらの技術を活用し、より優れたWebアプリを開発しましょう!
参考リンク
以上がPWAについての紹介でした。
次回はデザインのパターンについて紹介します。